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オペレーションマニュアルについて
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商標について
Microsoft、Windowsは、マイクロソフト企業グループの商標です。
iPadOS、LightningおよびMacは、Apple Inc. の商標です。
IOSは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の国における登録商標または商標であり、ライセンスに基づき使用されています。
microSDXCロゴは、SD-3C LLCの商標です。
USB Type-Cは、USB Implementers Forumの商標です。
用語について
エフェクト
音を歪ませたり(ディストーション)、揺らしたり(コーラス)、響かせたり(リバーブ)様々な効果(エフェク ト)を加えることができます。エフェクトのパラメーターを調整して、自分だけの音作りを行えます。
バウンス
いくつかのトラックやファイルに分かれた音楽データを、ステレオやモノラルのファイルにまとめることを言います。R4は4トラックのMTRですが、すでに録音した音声をバウンストラックと呼ばれる別なトラックにまとめることでトラック1から4を空け、新たに録音が追加できます。バウンストラックはどんどん重ねることができます。
プロジェクト
R4 では録音、再生するデータをプロジェクトという単位で管理します。 トラックに割り当てるオーディオファイルやパンなどの設定はプロジェクトファイルに保存されます。プロジェクトは最大1000個まで作成できます。
MTR(マルチトラックレコーダー)
複数のトラックを同時に録音、再生できるレコーダーのことをMTR(マルチトラックレコーダー)と言います。R4では、最大2トラックの同時録音、4トラックの同時再生が可能です。
R4の概要
ミュージシャン向けに設計されたR4は、いつでもどこでもあなたの音楽のアイデアを形にできるコンパクトな4トラックMTRです。4トラックを超えて録音を繰り返すことが出来るバウンス機能、2つのXLR/TSコンボ入力、内蔵マイク、オンボードエフェクトも装備しています。32-bit floatテクノロジーにより、録音時のレベル監視から解放され、創造的な音楽制作に集中できます。
録音から編集まで高音質を実現
R4はデュアルADコンバータ回路の搭載と32-bit float WAVファイルへの対応により、録音からDAWなどのソフトウェアでの編集に至るまで最高な音の品質を保つことができます。
録音
デュアルADコンバータ回路により、ゲイン調節なしで大きな音から小さな音まで録音が可能です。
DAWなどのソフトウェアでの編集
32-bit float WAVファイル形式で録音されるので、録音時の音質が編集時も保たれます。
デュアルADコンバータ回路について
R4は1つのインプット回路に対し、入力ゲインの異なる2つのADコンバータを搭載しています。この仕組みにより、従来必要不可欠であった録音時のゲイン調節を行わずに高品質な録音を行うことが可能です。
圧倒的なダイナミックレンジを実現
2つのADコンバータを組み合わせることで、1つのADコンバータでは実現できなかった幅広いダイナミックレンジを実現しています。
2つのADコンバータの切り替え
R4は2つのADコンバータのデータを常に監視し、最適な録音結果が得られるように自動でADコンバータの選択を行います。
32-bit float WAVファイルについて
32-bit float WAVファイルは、従来の16/24-bit WAVファイルに比べて以下のような特長があります。これらの特長により、録音後のDAWなどのソフトウェアでの編集でも録音時の音の品質を保つことができます。
解像度の違い
32-bit float WAVファイルは、小さな音でも高い解像度を保つことができるという特長を持っています。そのため録音後に小さな音を大きくする編集を行っても音の品質が失われません。
16/24-bit WAV
音量を上げる | 解像度が低い |
32-bit float WAV
音量を上げる | 解像度が高い |
クリップの違い
32-bit float WAVファイルは、録⾳後の編集によりR4の出⼒やDAWアプリケーションでクリップしたように聴こえる波形もWAVデータはクリップしていないので、⾳量を下げることでクリップの無い波形に復元することができます。
16/24-bit WAV
クリップして録音 | 音量を下げる | クリップしたまま |
32-bit float WAV
クリップして録音 | 音量を下げる | クリップしていない |
各部の役割
本体正面/背面
■正面
■背面
- ディスプレイ
- 各種情報を表示します。
- TRACK/FUNCTION キー
- 画面下端に表示されるアイコンの操作をします。
- フェーダー
- 各トラックの信号レベルを調節します。
- INPUT キー
- INPUT SELECT画面を表示します。
- EFFECT キー
- EFFECT設定画面を表示します。
- RHYTHM キー
- リズムを設定する画面を表示します。
- BOUNCE キー
- 録音済みの4つのトラックの音をBOUNCE トラックにまとめて、トラック1~4を空にします(バウンス)。
- UNDO キー
- 前回のバウンス直前の状態に戻します。
- 早戻しキー
- 短く押すと再生位置が戻ります。押し続けている間、早戻しします。
- 早送りキー
- 短く押すと再生位置が進みます。押し続けている間、早送りします。
- 停止キー
- 録音/再生を停止します。
停止中に押すと、再生位置がファイルの先頭に戻ります。
停止中に押し続けると、画面下部にオプションメニューを表示します。(押し続けている間はオプションメニューを表示します。)
- PLAY インジケーター
- 再生中に点灯します。
- 再生 キー
- ファイルの再生を行います。
- REC インジケーター
- 録音中に点灯します。
- 録音 キー
- 録音を開始します。
- INPUT A /内蔵マイク切り替えスイッチ
INPUT A側にしているとき INPUT A端子に接続した機器の音声が入力されます。 MIC側にしているとき 内蔵マイクの音声が入力されます。 - 電池カバー
- 単三乾電池の取り付け/取り外しをするときに開けます。
- 三脚取り付けネジ穴
- 三脚などにR4を取り付けるために使用します。1/4インチの口径です。
本体左側面/右側面/底面
■右側面
■左側面
- USB 端子(Type-C)
- パソコンやスマートフォン/タブレットと接続してファイルを転送したり、USBオーディオインターフェースとして使用できます。USBバスパワー動作に対応しています。
- microSD カードスロット
- microSDカードを挿入します。
- 電源キー
- 電源をON/OFFします。
- ヘッドフォン端子 / LINE OUT 端子
- ステレオミニプラグのヘッドフォンを接続します。
- VOLUME キー
- ヘッドフォン端子 / LINE OUT 端子から出力される音量を調節します。
■底面
- INPUT A端子
- マイクや楽器を接続します。XLR/TSプラグに対応しています。NOTE
INPUT A 端子とINPUT B 端子の極性アサインは以下のようになっています。
- 内蔵マイク
- アコースティック楽器やボーカルの録音に使用します。
- INPUT B 端子
- マイクや楽器を接続します。XLR/TSプラグに対応しています。
表示される画面について
HOME画面
毎回起動したら最初に表示される画面です(初回起動時を除く)。通常の再生時、録音時にこの画面が表示されます。
オプションメニュー画面
HOME画面でを押したままにすると表示されます。表示したまま対応したボタンを押すと機能が使えます。
を離すと画面下部の表示が消えます。
設定メニュー画面
オプションメニュー画面でを押すと表示されます。
メニュー画面の操作方法
メニュー画面の操作例
下記ではUSB接続のモードを切り替える途中までの操作を例に説明しています。
前の画面に戻る
HOME画面に戻る
録音の流れ
R4を起動してから録音終了までのイメージ図です。
詳細な操作方法は各操作説明のページをご覧ください。
録りたいトラック分に応じてマークの手順まで戻って繰り返し録音を行います。 | ||
こんなこともできます。
| ||
一部分だけ録り直ししたい… | 録りたいトラック分に応じてマークの手順まで戻って繰り返し録音を行います。 | |
トラック1から4まで使ってしまったら… | 録りたいトラック分に応じてマークの手順まで戻って繰り返し録音を行います。 | |
準備する
録音する時には、必ずSDカードが必要です。
microSDカードをセットする
電源をセットする
R4はUSB端子に接続された電源(ACアダプター、USBバスパワー、モバイルバッテリー)、電池のいずれかで動作することができます。
電源はUSB端子に接続された電源>電池の順に優先されます。
電池を入れる
R4を電池で駆動する場合は、単三電池を4本使用します。
アルカリ乾電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム乾電池のいずれかを使用してください。
電池残量を正確に表示するために、使用している電池の種類を正しく設定してください。(→電池の種類を選択する)
電池残量がなくなったときは、すぐに電源をOFFにし、新しい電池と交換してください。電池残量は電池で動作中常に表示されます(一部画面を除く)。
ACアダプターを接続する
USB端子(Type-C)に専用のAC アダプター(AD-17)のケーブルを接続して、AC アダプターをコンセントに接続します。
その他の電源について
USB端子(Type-C)にパソコンを接続すると、USBバスパワーでR4を駆動することができます。また、市販の5 Vモバイルバッテリーで駆動させることもできます。
入力機器を接続する
INPUT A、Bにマイクやギターを接続する
INPUT A端子、INPUT B端子にはマイクやギターを接続することができます。
マイクの接続
ダイナミックマイク、コンデンサーマイクを接続する場合は、XLRプラグをINPUT A端子またはINPUT B端子に接続します。
コンデンサーマイクにはファンタム電源を供給することもできます。
ギターやベースの接続
ギターやベースを接続する場合は、プラグをINPUT A端子またはINPUT B端子に接続します。
R4に内蔵されているエフェクターをかけて録音したい場合は、INPUT A端子に接続してください。
シンセサイザーなど、ステレオ出力機器の接続
ステレオ出力機器を接続する場合は、L側の出力端子をINPUT A端子に、R側をINPUT B端子に接続します。
隣り合う2つのトラックをステレオリンクに設定することで、2つのトラックを1つのステレオペアとして扱うことができます。(→ステレオリンクを設定する)
接続例
場面に応じて次のような録音ができます。
1人でエレキギター、ベース、ボーカル等を多重録音する
あらかじめ作っておいたリズムトラックを取り込んだり、R4に内蔵されたリズム音に合わせたりして、ギターを録音します。
2人でアコースティックギターとボーカル、コーラスを多重録音する
重ねて録音していくことで、小規模な楽曲制作においてフルに活用できます。
電源をON/OFF する
電源を入れる
電源を切る
初回起動時の設定
ご購入後、初めて電源をON にしたとき、またはR4を工場出荷時の状態に戻したときは、初期設定の画面が表示されます。各設定を行ってください。
日時を設定する
日時は録音ファイルに記録されます。
電池の種類を選択する
ディスプレイに電池残量を正確に表示するため、R4で使用する電池の種類を選択します。
チューナーを使用する
チューナー機能を使用することにより、ギターなどのチューニングを行うことができます。
設定できるチューナーの種類
表示 | 解説 | 弦番号/音名 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
Chromatic | 最寄りの音名(半音単位)と、その音名からどの程度ずれているかを表示します。 | - | - | - | - | - | - | - |
Guitar | 7 弦ギターにも対応するギターの標準チューニング | B | E | A | D | G | B | E |
Bass | 5 弦ベースにも対応するベースギターの標準チューニング | - | - | B | E | A | D | G |
Open A | 開放弦を鳴らすとA のコードになるオープンA チューニング | - | E | A | E | A | C# | E |
Open D | 開放弦を鳴らすとD のコードになるオープンD チューニング | - | D | A | D | F# | A | D |
Open E | 開放弦を鳴らすとE のコードになるオープンE チューニング | - | E | B | E | G# | B | E |
Open G | 開放弦を鳴らすとG のコードになるオープンG チューニング | - | D | G | D | G | B | D |
DADGAD | タッピング奏法などでよく使われる変則チューニング | - | D | A | D | G | A | D |
リズム (ビート/クリック)を設定する
ビートやクリックなど、楽器を録音する際や再生時に合わせやすいように目安になる音を鳴らすことができます。
リズムパターンの種類
番号 | パターン名 | 拍子 | 番号 | パターン名 | 拍子 | 番号 | パターン名 | 拍子 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | GUIDE | 4/4 | 29 | R&B2 | 4/4 | 57 | Cajon1 | 4/4 |
2 | Click 4/4 | 4/4 | 30 | 70s Soul | 4/4 | 58 | Cajon2 | 4/4 |
3 | Click 3/4 | 3/4 | 31 | 90s Soul | 4/4 | 59 | Cajon3 | 4/4 |
4 | Click 5/4 | 5/4 | 32 | Motown | 4/4 | 60 | Bossa1 | 4/4 |
5 | Click 1/4 | 1/4 | 33 | HipHop | 4/4 | 61 | Bossa2 | 4/4 |
6 | 8Beats1 | 4/4 | 34 | Disco | 4/4 | 62 | Samba1 | 4/4 |
7 | 8Beats2 | 4/4 | 35 | Pop | 4/4 | 63 | Samba2 | 4/4 |
8 | 8Beats3 | 4/4 | 36 | PopRock | 4/4 | 64 | Salsa1 | 4/4 |
9 | 16Beats1 | 4/4 | 37 | IndiePop | 4/4 | 65 | Salsa2 | 4/4 |
10 | 16Beats2 | 4/4 | 38 | EuroPop | 4/4 | 66 | CubaGrv1 | 4/4 |
11 | 16Beats3 | 4/4 | 39 | NewWave | 4/4 | 67 | CubaGrv2 | 4/4 |
12 | Rock1 | 4/4 | 40 | OneDrop | 4/4 | 68 | Djembe1 | 4/4 |
13 | Rock2 | 4/4 | 41 | Steppers | 4/4 | 69 | Djembe2 | 4/4 |
14 | Rock3 | 4/4 | 42 | Rockers | 4/4 | 70 | Breaks1 | 4/4 |
15 | ROCABLY | 4/4 | 43 | Ska | 4/4 | 71 | Breaks2 | 4/4 |
16 | R'n'R | 4/4 | 44 | 2nd Line | 4/4 | 72 | Breaks3 | 4/4 |
17 | HardRock | 4/4 | 45 | Country | 4/4 | 73 | House | 4/4 |
18 | HeavyMtl | 4/4 | 46 | Shuffle1 | 4/4 | 74 | Techno1 | 4/4 |
19 | MtlCore | 4/4 | 47 | Shuffle2 | 4/4 | 75 | Techno2 | 4/4 |
20 | Punk | 4/4 | 48 | Blues1 | 4/4 | 76 | DanceHall | 4/4 |
21 | FastPunk | 4/4 | 49 | Blues2 | 4/4 | 77 | 12/8 Grv | 12/8 |
22 | Emo | 4/4 | 50 | Jazz1 | 4/4 | 78 | Waltz | 3/4 |
23 | TomTomBt | 4/4 | 51 | Jazz2 | 4/4 | 79 | JazWaltz1 | 3/4 |
24 | Funk1 | 4/4 | 52 | NuJazz1 | 4/4 | 80 | JazWaltz2 | 3/4 |
25 | Funk2 | 4/4 | 53 | NuJazz2 | 4/4 | 81 | CtWalz1 | 3/4 |
26 | FunkRock | 4/4 | 54 | Fusion | 4/4 | 82 | CtWalz2 | 3/4 |
27 | JazzFunk | 4/4 | 55 | Swing1 | 4/4 | 83 | 5/4 Grv | 5/4 |
28 | R&B1 | 4/4 | 56 | Swing2 | 4/4 |
録音する
プロジェクトを開く
新しいプロジェクトを作成する
作成したプロジェクトの名称を変更したり、トラックにファイルを割り当てたりすることもできます。(→プロジェクトを管理する)
既存のプロジェクトを開く
入力を設定する
入力機器を接続する
マイクやギターなどを接続します。
R4はHi-Z入力に対応しています。ギターなどを直接接続することができます。
録音するトラックを選択する
INPUT AとINPUT Bをどのトラックに割り当てて録音するのかを設定します。
INPUT SELECT画面
- 各トラックの現在の状態
- 表示されている色で現在の各トラックの状況が分かります。
: 現在録音待機中、または録音中のトラック
: 空のトラック
: 既に収録された音声が入っているトラック
- 各トラックに割り当てられているINPUT
- 上記ではINPUT Aがトラック1に、INPUT Bがトラック2に割り当てられています。
入力/再生音をモニターする
ステレオリンクを設定する
隣り合う2つのトラックをステレオリンクに設定することで、2つのトラックを1つのステレオペアとして扱うことができます。
ステレオリンクはトラック1と2、またはトラック3と4の組み合わせでのみ設定できます。
ステレオリンクされたトラックは以下の状態になります。
奇数トラックがLチャンネル、偶数トラックがRチャンネルとなりPANの設定はできません。
音量は奇数トラックのフェーダーで調整します。偶数トラックのフェーダーは無効です。
下記のパラメーターがリンクします。
フェーダー、EQ (High/Middle/Low)、Echo、Reverb
ステレオリンクされたトラックで録音を行っても、録音データはモノラルファイルとしてそれぞれのトラックに録音されます。
以下では、トラック1とトラック2をステレオリンクする操作を例に説明します。
録音中/再生中はステレオリンクの設定を変更することはできません。
トラックを設定する
各トラックのイコライザーや左右バランス、エフェクトを設定します。
トラック設定で設定した効果は録音したデータそのものには影響を与えません。再生音される音に対して適用されます。また、バウンスを行うときは効果が反映されてバウンスされます。(バウンス機能については、録音したトラックをバウンストラックにまとめる(バウンス)をご覧ください。)
イコライザーの設定値
High
高域用イコライザーのブースト/カット量を調節します
タイプ:シェルビング
ゲイン幅:-15 dB ~ +15 dB
周波数:10 kHz
Middle
中域用イコライザーのブースト/カット量を調節します
タイプ:ピーキング
ゲイン幅:-15 dB ~ +15 dB
周波数:2.5 kHz
Low
低域用イコライザーのブースト/カット量を調節します
タイプ:シェルビング
ゲイン幅:-15 dB ~ +15 dB
周波数:100 Hz
録音を開始・停止する
トラックの最大録音時間が93分を超えるとバウンス/書き出しは実行できません。
録音を部分的に録りなおす(パンチイン録音)
“パンチイン/アウト”は、すでに録音されているトラックの一部分のみを録音し直す機能です。トラックの状態を再生から録音へと切り替える操作が“パンチイン” 、録音から再生へと切り替える操作が“パンチアウト”です。
再生中にボタンを押すと、その位置から録り直しが開始されます。
録音したトラックをバウンストラックにまとめる(バウンス)
“バウンス”とは複数のトラックをミックスして、バウンストラックと呼ばれるトラックに録音する機能です。
バウンスできる回数は最大99回です。
リズムパターンの再生が有効な状態でバウンスを行うとリズムパターンもバウンストラックにミックスされます。
トラックの最大録音時間が93分を超えるとバウンスは実行出来ません。
エフェクトを使用する
R4はZOOMのマルチエフェクターと同等のエフェクトを搭載し、エフェクトを組み合わせて使用することによって音声に様々なエフェクトをかけることができます。
R4のエフェクトは以下の2種類に大別されます。
表示 | エフェクト種類 | 効果が掛かる対象 |
---|---|---|
INPUT A/MIC Effect | インサートエフェクト |
|
Echo/Reverb | センドエフェクト |
|
上記2つのエフェクトのイメージ図
インサートエフェクトを使用する
録音時にINPUT Aまたは内蔵マイクに対してかかるエフェクトを設定できます。数十種類のエフェクトから2つ選ぶことができ、各エフェクトのパラメーターを調整できます。設定および調整したエフェクトはプロジェクトごとに記憶されます。
インサートエフェクトはINPUT A /内蔵マイク切り替えスイッチで選択されている方にかかります。
エフェクトを設定する
センドエフェクトを使用する
センドエフェクトとして利用できるエフェクトはエコーとリバーブの2種類です。
Echo/Reverbのかかり具合を調整する
Echo/Reverbのパラメーターを調整する
再生する
再生を開始・停止する
その他の再生操作
ボタン | 短く押す | 押し続けている間 |
---|---|---|
再生位置が前に戻ります。 | 早戻し | |
再生位置が先に進みます。 | 早送り |
プロジェクトを管理する
R4で作成したプロジェクトはmicroSDカードに保存されます。
microSDカードに保存されたプロジェクトは、プロジェクト名の変更、コピーや削除を行うことができます。
microSDカード内のフォルダー・ファイル構成
R4で録音すると、microSDカードに下記のようなフォルダー・ファイルが作成されます。
- エクスポートしたオーディオファイル、取り込むWAVファイル
- R4に取り込みたいオーディオファイルはR4_Projectフォルダ以外に保存してください。
また、プロジェクトをオーディオファイルに書き出す(エクスポート)により、書き出されたオーディオファイルはRootに保存されます。
- プロジェクトフォルダー
- プロジェクトの録音データや設定が格納されています。
「yyyymmdd_001」~「yyyymmdd_999」の名前でフォルダーが作成されます。
- 各トラックに録音されたオーディオファイル
- 以下の名前でオーディオファイルが作成されます。
①:トラック番号
②:バウンス後に録音した場合や録音後にファイルのアサインを解除して録音した回数
例:トラック4に録音後、バウンスを行い更に録音した場合のファイル名→「TRACK4_02.WAV」
- プロジェクトファイル
- プロジェクト固有の各種設定を保存します。
プロジェクトメニューを開く
プロジェクトの管理はプロジェクトメニュー画面で行います。
プロジェクト名を変更する
プロジェクトを複製する
プロジェクトを削除する
トラックにファイルを割り当てる
既存のプロジェクトの録音ファイルやmicroSDカードに保存した音声ファイルをプロジェクトに割り当てることが出来ます。音声ファイルだけをもらった場合など、R4のプロジェクトに取り込んで制作作業を継続できます。
プロジェクトをオーディオファイルに書き出す(エクスポート)
プロジェクトをオーディオファイルとして書き出すことができます。書き出したオーディオファイルはmicroSDカードのRootディレクトリに保存されます。
書き出しファイルに対して下記の設定が選択できます。
ファイル形式:WAV/MP3
ビット深度:16-bit/24-bit/ 32-bit float
ノーマライズ処理:有効/無効
リズムパターンの再生が有効な状態で書き出しを行うとリズムパターンもオーディオファイルにミックスされます。
トラックの最大録音時間が93分を超えると書き出しは実行出来ません。
ファイルを削除する
不要なオーディオファイルを削除できます。
オーディオインターフェースとして使用する
R4への入力信号をパソコンやスマートフォン/タブレットに送ることができ、パソコンやスマートフォン/タブレットの再生信号をR4から出力することができます。
Macまたはスマートフォン/タブレットで使用する場合、ドライバーは必要ありません。
Windowsで使用する場合はドライバーが必要です。
Windowsの場合
パソコンまたはスマートフォン/タブレットと接続する
入力音声のミックス設定をする
USBオーディオの信号経路を設定します。
ダイレクトモニターを設定をする
R4の入力音をパソコンやスマートフォン/タブレットを経由せずに、R4から出力します。これにより遅延のないモニタリングが可能です。
「On」にするとダイレクトモニター機能を使用できます。
ビット深度を設定する
オーディオインターフェースとして使用中のとき、パソコンやスマートフォン/タブレットに音声を送信するビット深度を設定します。24-bitまたは32-bit floatから選択できます。
パソコンまたはスマートフォン/タブレットとの接続を解除する
パソコンなどにファイルを転送する
R4をパソコンまたはスマートフォン/タブレットに接続して、microSDカード内のファイルの確認や移動ができます。
パソコンまたはスマートフォン/タブレットと接続する
パソコンまたはスマートフォン/タブレットとの接続を解除する
microSDカードを管理する
microSDカードの情報を確認する
microSDカードの空き容量を確認できます。
microSDカードを初期化する
microSDカードの性能を最大限に発揮させるため、R4用に初期化します。
microSDの読み書きが遅くなった、エラーが起きる場合にデータをパソコンにバックアップするなどして、初期化を行うと動作が改善される場合があります。
microSDカードを初期化すると、全てのデータが消去されますので、ご注意ください。
microSDカードをテストする
microSDカードの書き込み速度が、R4で録音したデータを保存するのに問題ない性能かテストします。
短時間で行うクイックテストと、microSDカードの全領域を検査するフルテストがあります。
各種設定を行う
日時を設定する
録⾳ファイルに記録される日時を設定します。
電池の種類を選択する
ディスプレイに電池残量を正確に表示するために、R4で使用する電池の種類を正しく選択します。
ディスプレイの省電力設定をする
電池動作時、電池の消耗を防ぐために、一定時間何も操作をしないとディスプレイのバックライトが暗くなるように設定できます。デフォルトでは有効になっています。
ディスプレイの明るさを設定する
ディスプレイの明るさを調節します。
電源を自動でOFFする機能を設定する
R4は操作をしない状態で一定時間が経過すると自動的に電源が切れるよう設定できます。デフォルトでは有効になっています。
常に電源をONにしたい場合は、オートパワーオフの設定をオフにしてください。
工場出荷時の状態に戻す
R4の設定を工場出荷時の状態に戻すことができます。
ファームウェアを管理する
ファームウェアのバージョンを確認する
R4のファームウェアのバージョンを確認することができます。
ファームウェアをアップデートする
R4のファームウェアを最新のバージョンにアップデートできます。
最新のファームウェアアップデート用ファイルは ZOOM の Web サイト(zoomcorp.com)からダウンロードできます。
R4のダウンロードページにある「R4 ファームウェア・アップデートガイド」に従ってください。
R4の最新情報を確認する
R4のディスプレイ上に、製品に関するヘルプの二次元コードを表示することができます。
付録
故障かな?と思う前に
R4の動作がおかしいと感じられたときは、まず次の項目を確認してください。
録音/再生のトラブル
音が出ない、もしくは非常に小さい
マイクの向きや接続機器の音量設定を確認してください。
ヘッドフォンの接続を確認してください。(→本体左側面/右側面/底面)
ヘッドフォンの音量が下がっていないか確認してください。(→入力/再生音をモニターする)
各チャンネルのフェーダーが下がっていないか確認してください。(→本体正面/背面)
R4の入力ソースの設定を確認してください。(→入力を設定する)
ファンタム電源の設定を確認してください。(→録音するトラックを選択する)
INPUT A /内蔵マイク切り替えスイッチが意図通りに設定されているか確認してください。(→本体正面/背面)
レベルメーターが一定以上にあがっているか確認してください。(→HOME画面)
内蔵マイクの音が歪む
マイクに入力される音声が大きすぎます。R4内蔵マイクと音源の距離を離してください。
INPUT A/Bの音が歪む
接続機器の音量を調節したり、R4の入力ソースの設定が正しいか確認してください。(→入力を設定する)
録音できない
INPUT A /内蔵マイク切り替えスイッチが意図通りに設定されているか確認してください。(→本体正面/背面)
接続機器の接続が正しく出来ているか確認してください。(→INPUT A、Bにマイクやギターを接続する)
録音トラックの設定を確認してください。(→入力を設定する)
microSDカードに空き容量があることを確認してください。(→microSDカードの情報を確認する )
カードスロットにmicroSDカードが正しくセットされていることを確認してください。
microSDカードに問題がないか、R4で使用できるか確認してください。(→microSDカードをテストする )
録音した音声が途切れる
microSD カードを R4 でフォーマットしてください。(→microSDカードを初期化する)
microSDカードに問題がないか、R4で使用できるか確認してください。(→microSDカードをテストする)
動作確認済みmicroSDカードの使用をおすすめします。動作確認済みmicroSDカードはZOOMのウェブサイト(zoomcorp.com)で確認してください。
録音した音が聞こえない、もしくは非常に小さい
各トラックのフェーダーが下がっていないか確認してください。(→本体正面/背面)
チューナーが利用できない
INPUT A /内蔵マイク切り替えスイッチが意図通りに設定されているか確認してください。(→本体正面/背面)
その他のトラブル
USB端子をパソコンまたはスマートフォン/タブレットに接続しても認識されない
データ転送に対応したUSBケーブルを使用してください。
R4をパソコンまたはスマートフォン/タブレットに認識させるためには、 R4側で動作モードを選択する必要があります。(→パソコンまたはスマートフォン/タブレットと接続する、パソコンなどにファイルを転送する)
オーディオインターフェースとして使用する場合、ビット深度を32-bit float形式に設定するときは使用しているパソコンまたはスマートフォン/タブレットとアプリケーションが32-bit float形式に対応していることを確認してください。
パソコンの「サウンド」の設定で「ZOOM R4」が選択できなくても、32-bit float形式に対応しているアプリケーションの「オーディオ」または「入出力」デバイスとしてR4を選択することで32-bit floatのオーディオインターフェースとして使用できます。
Windowsで32-bit float形式を使用するには専用のドライバーが必要です。ドライバーはZOOMのWEBサイト(zoomcorp.com)からダウンロードできます。
電池の持続時間が短い
以下の設定を行うことで、電池持続時間を長くできる場合があります。
使用する電池の種類を適切に設定する。(→電池の種類を選択する)
使用しない入力をOFFにする。使用しない入力のファンタム電源供給を切る。(→入力を設定する)
一定時間操作をしないとディスプレイが暗くなるように設定する。(→ディスプレイの省電力設定をする)
ディスプレイの明るさを暗くする。(→ディスプレイの明るさを設定する)
一般的な特性として、消費電力が大きい設定の場合、ニッケル水素蓄電池(大容量を推奨)、リチウム乾電池の方がアルカリ電池よりも長時間使用できます。
日時情報が頻繁にリセットされる
AC アダプターや電池から電源が供給されない状態が続くと、本体に記憶した日時情報がリセットされます。電源起動時に日時の設定画面が表示された場合は再度設定してください。(→日時を設定する)
ブロックダイアグラム
仕様
入出力チャンネル数 | 入力 | 内蔵マイク(モノラル) | 1 |
XLR/TS入力(モノラル) | 2 | ||
出力 | ヘッドフォン | 1 | |
入力 | XLR/TS入力 | コネクタ | XLR/TS コンボジャック×2 (バランス、XLR:2番HOT) |
入力ゲイン | 調整不要(デュアルADコンバータ回路採用) | ||
入力インピーダンス | XLR:2.3 kΩ TS : 1 MΩ | ||
最大入力レベル | XLR : +4 dBu TS : +10 dBu | ||
ファンタム電源 | +48 V(INPUT A、Bごとに切り替え) | ||
入力換算雑音 | XLR : -120 dBu 以下(IHF-A) TS : -107 dBu 以下(IHF-A) | ||
周波数特性 | XLR : -0.5 /+0.0 dB : 20 Hz ~ 20 kHz TS : -0.2 /+0.0 dB : 20 Hz ~ 20 kHz | ||
内蔵マイク入力 | 指向性 | 無指向性 | |
入力ゲイン | 調整不要(デュアルADコンバータ回路採用) | ||
最大入力音圧 | 115 dB SPL | ||
出力 | ヘッドフォン | コネクタ | 3.5 mmステレオミニジャック×1 |
出力インピーダンス | 10 Ω | ||
最大出力レベル | 20 mW + 20 mW(32 Ω負荷時) | ||
レコーダー | 最大同時録音トラック数 | 2 | |
録音フォーマット | WAV 48 kHz、32-bit float、モノラル | ||
記録メディア | microSDHC規格対応カード 4 GB ~ 32 GB microSDXC規格対応カード 64 GB ~ 1 TB | ||
表示 | 2インチ フルカラー LCD(240 x 320 ドット) | ||
USB | コネクタ | USB Type-C ※データ転送に対応したUSB ケーブルを使用してください。USB バスパワー動作対応。 | |
オーディオインターフェース機能 | クラス | USB2.0 High Speed | |
サンプリング周波数 | 48 kHz | ||
ビットレート | 24-bit/32-bit float | ||
チャンネル入出力 | 2 in/2 out | ||
マスストレージ機能 | USB2.0 High Speed | ||
電源 | 乾電池:単三型×4本 (アルカリ乾電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム乾電池) AC アダプター:ZOOM AD-17(5 V/1.0 A) ※USBバスパワー動作対応 | ||
連続使用時の電池持続時間の目安 | 1トラック録音、1トラック再生、ファンタム電源OFF、ヘッドフォン 32 Ω負荷、Power Saving ON | アルカリ乾電池:約7時間 ニッケル水素蓄電池(1900 mAh):約6時間 リチウム乾電池:約14時間 ※上記の値はあくまで目安です。 ※電池持続時間は当社試験法によるものです。使用条件により大きく変わります。 | |
消費電力 | 5 W | ||
外形寸法 | 74 mm (W) × 138 mm (D) × 36 mm (H) | ||
質量(電池含む) | 287 g |
※ 0 dBu = 0.775 Vrms