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オペレーションマニュアルについて
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F3の概要
録音から編集まで高音質を実現
F3はデュアルADコンバータ回路の搭載と32-bit Float WAVファイルへの対応により、録音からポストプロダクションに至るまで最高な音の品質を保つことができます。
録音
デュアルADコンバータ回路により、ゲイン調節なしで大きな音から小さな音まで録音が可能です。
ポストプロダクション
32-bit Float WAVファイル形式で録音されるので、録音時の音質が編集時も保たれます。
デュアルADコンバータ回路について
F3は1つのインプット回路に対し、入力ゲインの異なる2つのADコンバータを搭載しています。この仕組みにより、従来必要不可欠であった録音時のゲイン調節を行わずに高品質な録音を行うことが可能です。
圧倒的なダイナミックレンジを実現
2つのADコンバータを組み合わせることで、1つのADコンバータでは実現できなかった幅広いダイナミックレンジを実現しています。
2つのADコンバータの切り替え
F3は2つのADコンバータのデータを常に監視し、最適な録音結果が得られるように自動でADコンバータの選択を行います。
32-bit Float WAVファイルについて
32-bit Float WAVファイルは、従来の16/24-bit Linear WAVファイルに比べて以下のような特長があります。
これらの特長により、録音後のポストプロダクションでの編集でも録音時の音の品質を保つことができます。
解像度の違い
32-bit Float WAVファイルは、小さな音でも高い解像度を保つことができるという特長を持っています。そのため録音後に小さな音を大きくする編集を行っても音の品質が失われません。
■ 16/24-bit Linear WAV | |||
音量を上げる | 解像度が低い |
■ 32-bit Float WAV | |||
音量を上げる | 解像度が高い |
クリップの違い
32-bit Float WAVファイルは、録⾳後の編集によりF3の出⼒やDAWアプリケーションでクリップしたように聴こえる波形もWAV データはクリップしていないので、⾳量を下げることでクリップの無い波形に復元することができます。
■ 16/24-bit Linear WAV | |||
クリップして録音 | 音量を下げる | クリップしたまま |
■ 32-bit Float WAV | |||
クリップして録音 | 音量を下げる | クリップしていない |
各部の役割
本体上面/底面
■ 本体上面 | ■ 本体底面 |
- PLAYキー
- ファイルの再生または一時停止を行います。
- STOPキー
- 録音または再生を停止します。
- MENUキー
- メニュー画面を表示したり、ホーム画面に戻ります。
- ディスプレイ
- レコーダーの状態またはメニュー画面を表示します。
- REC / HOLDスイッチ
- 録音を開始したり、キー操作を無効にします。
- REC LED
- 録音中は点灯します。
- 1キー/操作キー
- ホーム画面表示中:インプット1の波形表示の拡大率を調節します。
ホーム画面以外表示中:画面下端に表示されるアイコンの操作をします。(→操作キーについて)
- 1キー/操作キー
- ホーム画面表示中:インプット1の設定をするときに操作します。
ホーム画面以外表示中:画面下端に表示されるアイコンの操作をします。(→操作キーについて)
- 2キー/操作キー
- ホーム画面表示中:インプット2の波形表示の拡大率を調節します。
ホーム画面以外表示中:画面下端に表示されるアイコンの操作をします。(→操作キーについて)
- 2キー/操作キー
- ホーム画面表示中:インプット2の設定をするときに操作します。
ホーム画面以外表示中:画面下端に表示されるアイコンの操作をします。(→操作キーについて)
- 三脚取り付けネジ穴
- 三脚などにF3を取り付けるために使用します。
- 電池カバー
- 単三電池の取り付け/取り外しをするときに開けます。
操作キーについて
メニュー画面や再生画面、入力設定画面などで、画面の下端に操作アイコンが表示された場合は、対応する操作キー(操作アイコン直下の操作キー)で画面の項目を選択したり決定したりします。
■ メニュー画面の例
- 操作アイコン
- 画面によって表示されるアイコンが異なります。
- 操作キー()
- 前の画面に戻ります。
- 操作キー()
- 上の項目を選択します。
- 操作キー()
- 下の項目を選択します。
- 操作キー()
- 選択した項目を決定します。
操作アイコンは他にもあります。詳細は各項目の手順の説明に記載しています。
■ 本オペレーションマニュアルの手順の記載について
本オペレーションマニュアルでは、操作キーを押して操作をする手順を以下のようにアイコンで記載しています。
例:/に対応する操作キーで「ファインダー」を選択し、選択した項目をに対応する操作キーで決定する
/で「ファインダー」を選択し、で決定する
本体左側面/右側面
■ 本体左側面 | ■ 本体右側面 |
- USB端子(Type-C)
- パソコンやスマートフォン/タブレットと接続して、SDカードリーダー、オーディオインターフェースとして使用できます。USBバスパワー動作に対応しています。
- microSDカードスロット
- microSDカードを挿入します。
- REMOTE端子
- 専用無線アダプター(ZOOM BTA-1など)を接続します。
スマートフォン/タブレット用アプリケーション「F3 Control」を使って、スマートフォン/タブレットからワイヤレスでF3を操作できます。
また、Timecode Systems社のUltraSync BLUEを使って、F3にSMPTEタイムコードを⼊力することもできます。
- 電源スイッチ
- 電源をON / OFFします。
本体正面/背面
■ 本体正面 | ■ 本体背面 |
- LINE OUT端子
- ステレオミニジャックを使用して音声を出力します。
- PHONE OUT端子
- ヘッドフォンに音声を出力します。
- VOLUMEキー
- ヘッドフォンの音量を調節します。
- インプット1
- マイクを接続します。XLRプラグに対応しています。
- インプット2
- マイクを接続します。XLRプラグに対応しています。
表示される画面について
ここではF3のディスプレイに表示される画面について説明します。
ホーム画面
F3の電源を入れたときにディスプレイに表示される画面です。録音状況や入力される信号の波形など、F3の状態を表示します。
- カウンター
- 録音待機中は録音可能時間、録音中は現在の録音経過時間が表示されます。録音中に、残り録音可能時間を表示することもできます。(→録音時の時間表⽰を設定する)
- ステータスアイコン
- 録音状況をアイコンで表示します。
:停止中
:録音中
- 電池残量表示
- 電池の残量が少なくなった場合は、電池を交換するか(→電池を入れる)、ACアダプター(→ACアダプターを接続する)またはモバイルバッテリー(→その他の電源について)を接続してください。
- 波形表示(インプット1)
- インプット1に入力される信号の波形を表示します。(→録音時に表示される波形について)
- 波形表示(インプット2)
- インプット2に入力される信号の波形を表示します。(→録音時に表示される波形について)
- 波形拡大率(インプット1)
- インプット1の波形表示の拡大率を表示します。(→録音時に表示される波形について)
- ⼊力ソース(インプット 1)
- 現在設定されているインプット1の入力ソースが表示されます。(→入力ソースを設定する)
- 波形拡大率(インプット2)
- インプット2の波形表示の拡大率を表示します。(→録音時に表示される波形について)
- ⼊力ソース(インプット 2)
- 現在設定されているインプット2の入力ソースが表示されます。(→入力ソースを設定する)
ホーム画面以外を表示しているときは、を押すとホーム画⾯に移動できます。各種設定画面からすばやくホーム画面を表示したい場合に便利な機能です(一部、ホーム画面に移動できない画面もあります)。
再生画面
再生中にディスプレイに表示される画面です。経過時間や出力信号の波形など、F3の再生状態を表示します。
- ステータスアイコン
- 再生状況をアイコンで表示します。
:再生中
:一時停止中
:早戻し中
:早送り中
- カウンター
- 再生経過時間が表示されます。
- 電池残量表示
- 電池の残量が少なくなった場合は、電池を交換するか(→電池を入れる)、ACアダプター(→ACアダプターを接続する)またはモバイルバッテリー(→その他の電源について)を接続してください。
- ファイルフォーマット
- 再生ファイルの形式(→録⾳ファイルの形式を選択する(モノ/ステレオ))に応じて表示が変わります。
1/2:「録音設定」>「ファイルフォーマット」の設定を「モノ」にしてインプット1と2の両方を録音したファイル
1:「録音設定」>「ファイルフォーマット」の設定を「モノ」にしてインプット1または2の片方を録音したファイル
L/R:「録音設定」>「ファイルフォーマット」の設定を「ステレオ」にして録音したファイル
- 波形表示
- 再生している録音ファイルの波形を表示します。
- 再⽣位置バー
- 現在の再生位置が表示されます。
- 操作アイコン
- 操作アイコンに対応するディスプレイ下側の操作キーを押して、早送りや早戻し、ファイルの削除や情報確認ができます。(→操作キーについて)
- マークバー
- 再生するファイルに付加されたマークが表示されます。
マークの付加はスマートフォン/タブレットから専用のアプリケーションを使用した場合のみ、行うことができます。スマートフォン/タブレットから専用のアプリケーションを使用するには、専用無線アダプター(BTA-1 など)が必要になります。マークに関する詳細な説明は、F3 Controlの取扱説明書を参照してください。
メニュー画面
録音や出力の設定、本体の設定などはメニュー画面で行います。
- メニュータイトル
- メニュー項目
- 設定項目や設定値などを表示します。
- 操作アイコン
- 操作アイコンに対応するディスプレイ下側の操作キーを押して、メニュー項目を選択したり選択した項目を決定します。(→操作キーについて)
- 電池残量表示
- 電池の残量が少なくなった場合は、電池を交換するか(→電池を入れる)、ACアダプター(→ACアダプターを接続する)またはモバイルバッテリー(→その他の電源について)を接続してください。
- スクロールバー
- 項目が多くディスプレイ内に収まりきらないときに表示されます。
メニュー画面を表示するには
文字入力画面
文字入力画面は、録音ファイル名の設定で、ユーザー定義名を入力するときにディスプレイに表示されます。
ディスプレイ下側の操作キーを押して文字を入力します。
使用可能な文字/記号は次の通りです。
! # $ ' ( ) + , - ; = @ [ ] ^ _ ` { } ~ (space) A-Z, a-z, 0-9
録音の流れ
以下のような流れで録音を行います。
| |
| |
|
準備する
microSDカードをセットする
電源をセットする
F3はUSB端子に接続された電源(ACアダプター、USBバスパワー、モバイルバッテリー)、電池のいずれかで動作することができます。
電源はUSB端子に接続された電源>電池の順に優先されます。
電池を入れる
F3を電池で駆動する場合は、を押しながらスライドして製品底面の電池ボックスの蓋を開け、単三電池を2本入れてください。
アルカリ乾電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム乾電池のいずれかを使用してください。
電池残量を正確に表示するために、使用している電池の種類を正しく設定してください。(→電池の種類を選択する)
電池残量がなくなったときは、すぐに電源をOFFにし新しい電池と交換してください。電池残量は電池で動作中常に表示されます(一部画面を除く)。
ACアダプターを接続する
USB端子(Type-C)に専用のAC アダプター(AD-17)のケーブルを接続して、AC アダプターをコンセントに接続します。
その他の電源について
USB端子(Type-C)にパソコンを接続すると、USBバスパワーでF3を駆動することができます。また、市販の5 Vモバイルバッテリーで駆動させることもできます。
入力機器を接続する
インプット1、2にマイクなどを接続する
F3はインプット1、2の2つの⼊力を備えており、各インプットに対応した2つのトラックの録音が可能です。 インプット1、2にはマイクなどを接続することができ、それぞれトラック1、2へ録音されます。
マイクの接続
ダイナミックマイク、コンデンサーマイクを接続する場合は、XLRプラグをインプット1または2に接続します。
マイクを接続する場合は、⼊力ソースの設定をマイクにします。(→入力ソースを設定する)
コンデンサーマイクにはファンタム電源(+24 V/+48 V)を供給することもできます。(→入力ソースを設定する)
ラインレベルの機器の接続
ミキサーなどのライン機器をXLRプラグのケーブルで接続することができます。
ライン機器を接続する場合は、⼊力ソースの設定をラインにします。(→入力ソースを設定する )
パッシブタイプのギターやベースの⼊力には対応していません。この場合は、ミキサーやエフェクターを通して接続してください。
接続例
場面に応じて次のような録音ができます。
動画撮影の場合
ワイヤレスのピンマイクを使用して、動画撮影の音声を録音します。
コンサート録音の場合
2本のマイクを使用して、ステレオで音声を録音します。
電源をON/OFF する
電源を入れる
電源を切る
表示言語を設定する(初回起動時)
ご購入後はじめて電源をON にした場合は、ディスプレイに表示言語の設定画面が表示されますので、ディスプレイに表示される言語を設定します。
日時を設定する(初回起動時)
ご購入後はじめて電源をON にした場合は、表示言語を設定した後に日時の設定画面がディスプレイに表示されますので日時を設定します。日時は録音ファイルに記録されます。
誤動作を防止する(ホールド機能)
誤操作を防止するために、ホールド機能を使用して F3のキー操作を無効にできます。
入力設定をする
設定を行うインプットを選択する
入力設定は各インプットごとに行うことができます。入力設定をしたいインプットを選択してください。
インプットのオン/オフを設定する
各インプットのオン/オフを設定します。
使用しないインプットをオフにすることで、電池持続時間を長くすることができます。またmicroSDカードの使用量を削減できます。
入力ソースを設定する
各インプットの⼊力ソースとファンタム電源のオン/オフを設定します。
ファンタム電源の電圧を変更する
ファンタム電源の電圧を+24 V, +48 V の電圧から選択し、変更することができます。
選択した電圧はインプット1、インプット2で共通の電圧設定になります。
ノイズを軽減する(低域カット)
低域をカットして、⾵雑音やボーカルのポップノイズなどを軽減できます。
⼊力位相を反転させる
⼊力信号の位相を反転させます。
マイクのセッティングによって⾳が打ち消しあってしまったときに、位相を反転することでこの現象を回避できることがあります。
⼊力信号に遅延をかける
同一音源に対して有線マイクとワイヤレスマイクを併用して入力信号のタイミングが合わない場合など、遅延時間を調整することで遅れている信号にタイミングを合わせることができます。
出力設定をする
ヘッドフォンから出力する通知音の設定をする
録⾳開始・終了時などにヘッドフォンに出力する通知音の⾳量を設定します。
ライン出力レベルを調節する(テストトーンを再生する)
外部機器へのライン出力レベルを調節します。
デジタル一眼レフカメラなどとのレベル調節のために、テストトーンを再生することもできます。
ライン出⼒にリミッターをかける
ライン出力にリミッターをかけることでレベルが高すぎる信号を抑えることができ、ライン出⼒端子に接続した機器を保護できます。
ライン出力に遅延をかける
ライン出力を遅らせることで、出⼒先の機器に⼊力される⾳のタイミングのズレを補正できます。
録音する
録音時に表示される波形について
F3は32-bit Float形式で録音するため、入力のゲイン調節は不要です。しかし入力信号によってはディスプレイに表示される波形が小さすぎたり大きすぎて確認しづらいことがあります。
表⽰波形の拡大率を変更することで、⼊力波形を確認しやすい⼤きさに調節します。拡⼤率はインプットごとに設定が可能です。
波形の拡⼤率に応じて、音量も変化します。
⼊力/再⽣音をモニターする
ヘッドフォンなどを使⽤して⼊力/再⽣音をモニターし、⾳量を調節します。
録音の設定をする
録⾳ファイル名の形式を設定する
録⾳ファイル名の形式を設定します。
サンプルレートを設定する
録⾳するファイルのサンプルレートを設定します。
録⾳ファイルの形式を選択する(モノ/ステレオ)
録⾳するWAVファイルの形式をモノまたはステレオから選択します。
時間をさかのぼって録音する(プリ録音)
⼊力信号を常に一定時間蓄えておくことにより、操作によって録⾳開始した時点から最大で6 秒までさかのぼって録音(プリ録音)できます。
スイッチ操作が遅れてしまった場合などに役に立ちます。
サウンドマーカーを設定する
録⾳開始時に、出力端子(PHONE OUT端子およびLINE OUT端子)から0.5秒間のトーン信号(サウンドマーカー)を鳴らすことができます。
サウンドマーカーは録音ファイルにも書き込まれるため、動画の音声をF3で録音する場合、カメラ側にF3の出力信号を⼊力しておくことで、動画との位置合わせが簡単になります。
録音時の時間表⽰を設定する
録⾳時に、録⾳経過時間を表示するか、残りの録音可能時間を表示するかを選択することができます。
録音する
再生する
再生する
再生時の操作
- 押すたびに一時停止/再生再開します。
- 再生を停止します。
- 前のファイルを選択します。マークがある場合はマーク位置の頭出しをします。
長押しすると、早戻しします。
- 次のファイルを選択します。マークがある場合はマーク位置の頭出しをします。
長押しすると、早送りします。
マークの付加はスマートフォン/タブレットから専用のアプリケーションを使用した場合のみ、行うことができます。スマートフォン/タブレットから専用のアプリケーションを使用するには、専用無線アダプター(BTA-1 など)が必要になります。マークに関する詳細な説明は、F3 Controlの取扱説明書を参照してください。
再生ファイルの情報を確認する
録音ファイルを削除する
再生中のファイルを削除します。
「ファイルフォーマット」の設定を「モノ」にして同時に録音したインプット1/2の2つのファイルは、一度に両方が削除されるため注意してください。(→録⾳ファイルの形式を選択する(モノ/ステレオ))
ファイルの削除は、メニュー画面→「ファインダー」でも行うことができます。(→ファイルを削除する)
ファイルを管理する
microSDカード内の録音ファイルを選択し、再生、削除、情報の確認ができます。
F3のフォルダー・ファイル構成
F3 で録音すると、microSD カードに次のようなファイルが作成されます。
ファイル名は録音ファイル名の設定(→録⾳ファイル名の形式を設定する)や録音ファイルの形式の設定(→録⾳ファイルの形式を選択する(モノ/ステレオ))によって異なります。
- ステレオファイル
録音ファイルの形式が「ステレオ」のときにステレオファイルが作成されます。
1つのファイルに2つのオーディオトラックが録音されます。
録⾳トラック1にはインプット1の信号が、録⾳トラック2にはインプット2の信号がそれぞれ録音されます。
- モノファイル
録音ファイルの形式が「モノ」のときにモノファイルが作成されます。
1つのファイルに1つのオーディオトラックが録音されます。
インプット1とインプット2の「オン/オフ」設定が「オン」の時に録音した場合、2つのWAVファイルが作成されます。
インプット1または2の音声が録音されたファイルは、ファイル名の末尾がそれぞれ「_Tr1」または「_Tr2」になります。
再生したいファイルを選択する
リストからファイルを選択し、再生を開始します。
ファイルの情報を確認する
ファイルの各種情報を確認できます。
ファイルを削除する
選択したファイルを削除します。
オーディオインターフェースとして使用する
F3は2in2outのオーディオインターフェースとして動作します。
F3への⼊力信号をパソコンやスマートフォン/タブレットに送ることができ、パソコンやスマートフォン/タブレットの再⽣信号をF3から出力することができます。
ファームウェアバージョン2.0より32-bit Float形式に対応し、モノミックス、ダイレクトモニターなどの機能が追加されました。これらの機能を使用したい場合は、使用中のファームウェアがバージョン2.0以降であることを確認してください。(→ファームウェアのバージョンを確認する、ファームウェアをアップデートする)
パソコンやスマートフォン/タブレットで使用するアプリケーションが32-bit Float形式に対応していることを必ず確認してから使用して下さい。
F3とスピーカーやヘッドフォンを接続する前に、F3のヘッドフォンボリューム、ライン出力レベルを0にしてください。32-bit Float形式に対応していないアプリケーションを使用した場合、思わぬ大きな音が出て耳などを傷める原因になります。
ドライバをインストールする
Windows
Macまたはスマートフォン/タブレット
Macまたはスマートフォン/タブレットで使用する場合、ドライバは必要ありません。
パソコンまたはスマートフォン/タブレットと接続する
F3からパソコンまたはスマートフォン/タブレットを取り外す
オーディオインターフェースの設定をする
F3をオーディオインターフェースとして使用するときの、ループバックやモニター音、パソコンやスマートフォン/タブレットに送る信号の設定ができます。
ループバックを設定する
パソコンやスマートフォン/タブレットの再生音とF3への入力音をミックスして、もう一度パソコンやスマートフォン/タブレットに送る(ループバック)ことができます。
パソコンで再生した音楽にナレーションをつけてパソコンで録音したり、Web配信したりできます。
モノミックスを設定する
インプット1、2の入力のモニター音、パソコンやスマートフォン/タブレットに送る信号をモノミックスすることができます。
Web配信を行う場合など、パソコンやスマートフォン/タブレットに送る信号をステレオにしたくない場合に便利な機能です。
ダイレクトモニターを設定する
F3の入力音をパソコンやスマートフォン/タブレットを経由せずに、F3から出力します。これにより遅延のないモニタリングが可能です(ダイレクトモニター機能)。
スマートフォン/タブレットからF3を操作する
専⽤無線アダプター(BTA-1 など)を接続すると、専⽤のコントローラーアプリケーション「F3 Control」を使用して、スマートフォン/タブレットからF3をワイヤレスで操作できます。
あらかじめ専用アプリ「F3 Control」をスマートフォン/タブレットにインストールしておく必要があります。 専用アプリ「F3 Control」は App StoreまたはGoogle Playからダウンロードできます。 アプリでの設定や操作の方法については、専用アプリ「F3 Control」の取扱説明書を参照してください。
オーディオインターフェース動作時(→オーディオインターフェースとして使用する)はスマートフォン/タブレットからF3をワイヤレスで操作できません。
F3は「F3 Control」とUltraSync BLUEを同時に接続することはできません。
スマートフォン/タブレットと接続を解除する
スマートフォン/タブレットでアプリを終了することで、接続解除を行うことができます。
BTA-1 を引き抜くことで、F3 と「F3 Control」との接続を解除することもできます。
各種設定を行う
電池の種類を選択する
ディスプレイに電池残量を正確に表示するために、F3で使⽤する電池の種類を正しく選択します。
ディスプレイのバックライトを設定する
省電⼒のため、ディスプレイのバックライトの点灯/消灯を設定します。
ディスプレイのコントラストを設定する
ディスプレイの表示が薄い場合や濃すぎて見づらい場合は、ディスプレイの明暗の差(コントラスト)を調節します。
表示言語を設定する
F3の画面で表示される言語を変更することができます。
⽇時を設定する
⽇付形式を設定する
録⾳ファイルに記録される日付形式を変更します。
電源を⾃動でOFFする時間を設定する
F3は操作をしない状態で一定時間が経過すると自動的に電源が切れるよう設定できます。
常に電源をONにしたい場合は、電源の自動OFF機能の設定をオフにしてください。
タイムコードを使う
タイムコードについて
Timecode Systems社のUltraSync BLUEを使用することで、F3にSMPTEタイムコードを⼊力できます。
タイムコードとは、映像や⾳声を記録するとき、そのデータに書き込まれる時間情報です。ビデオ編集や周辺機器の制御、映像と⾳声の同期などの目的に使⽤します。
オーディオインターフェース動作時(→オーディオインターフェースとして使用する)はTimecode Systems社のUltraSync BLUEを使⽤できません。
F3は「F3 Control」とUltraSync BLUEを同時に接続することはできません。
タイムコードを使用した編集
映像データ、音声データ共にタイムコードが記録されていると、ノンリニア編集ソフトウェアで編集する際に、時間軸上の配置とお互いの同期が容易になります。
|
タイムコードを入力する
Timecode Systems社のUltraSync BLUEでタイムコードを発信し, F3とビデオカメラの両方でタイムコードを受信することによって、⾳声データと映像データにそれぞれタイムコードを記録します。
タイムコードはBluetooth経由で送受信されます。
UltraSync BLUEと接続する
F3をUltraSync BLUEに接続すると、UltraSync BLUEからタイムコードを受信し、録音ファイルに記録します。
UltraSync BLUEを接続するには、専用無線アダプター(BTA-1 など)をF3に接続し、UltraSync BLUEとF3をペアリングする必要があります。
UltraSync BLUEと接続を解除する
BTA-1 を引き抜くことで、F3とUltraSync BLUEとの接続を解除し、タイムコードの記録を停⽌します。接続を解除した場合も、ペアリング情報の記録は残ります。
タイムコード情報を確認する
UltraSync BLUEから受信しているタイムコード情報を確認できます。
ホーム画面/録⾳画面の表⽰時間を設定する
ホーム画面/録⾳画面でのタイムコードの表示設定を変更します。
タイムコードは以下の位置に表示されます。
パソコンとデータをやり取りする
パソコンと接続して、microSDカード内のデータの確認やコピーができます。
パソコンを取り外す
microSDカードをテストする
microSDカードがF3で使用可能かどうかテストします。
短時間で行う簡易テストと、SDカードの全領域を検査するフルテストがあります。
簡易テストを行う
フルテストを行う
microSDカードを初期化する
microSDカードの性能を最大限に発揮させるため、F3用に初期化します。
工場出荷時の状態に戻す
F3を工場出荷時の状態に戻すことができます。
ファームウェアを管理する
ファームウェアのバージョンを確認する
F3のファームウェアのバージョンを確認することができます。
ファームウェアをアップデートする
F3 のファームウェアを、最新のバージョンにアップデートできます。
最新のファームウェアアップデート用ファイルは ZOOM の Web サイト(zoomcorp.com)からダウンロードできます。
F3 のダウンロードページにある「F3 ファームウェア・アップデートガイド」に従ってください。
付録
故障かな?と思う前に
F3の動作がおかしいと感じられたときは、まず次の項目を確認してください。
録音/再生のトラブル
音が出ない、もしくは非常に小さい
マイクの向きや接続機器の音量設定を確認してください。
ヘッドフォンの音量やライン出力レベルが下がっていないか確認してください。(→⼊力/再⽣音をモニターする、ライン出力レベルを調節する(テストトーンを再生する))
接続した機器や入力からの音が聞こえない、もしくは非常に小さい
入力信号の波形の拡大率を大きくしてモニター音を大きくしてください。(→録音時に表示される波形について)
入力端子にCD プレーヤーなどを接続しているときは、接続した機器の出力レベルを上げてください。
入力信号のモニター設定を確認してください。(→⼊力/再⽣音をモニターする、ライン出力レベルを調節する(テストトーンを再生する))
ファンタム電源の設定を確認してください。(→入力ソースを設定する 、ファンタム電源の電圧を変更する)
録音できない
REC LEDが赤く点灯していることを確認してください。(→録音する)
microSD カードに空き容量があることを確認してください。録音可能時間は、録音待機中の画面で確認できます。(→ホーム画面)
カードスロットにmicroSD カードが正しくセットされていることを確認してください。(→microSDカードをセットする)
入力ソースが「オフ」になっていないか確認してください。(→入力ソースを設定する)
録音した音が聞こえない、もしくは非常に小さい
入力ソースの設定が接続機器に合っているか確認してください。(→入力ソースを設定する)
その他のトラブル
電源がONにならない
が「HOLD」側にスライドされていないことを確認してください。(→誤動作を防止する(ホールド機能))
USB端子をパソコンまたはスマートフォン/タブレットに接続しても認識されない
データ転送に対応したUSBケーブルを使用してください。
F3をパソコンまたはスマートフォン/タブレットに認識させるためには、 F3側で動作モードを選択する必要があります。(→パソコンとデータをやり取りする、パソコンまたはスマートフォン/タブレットと接続する)
32-bit Float形式でオーディオインターフェースを使用する場合、使用しているパソコンまたはスマートフォン/タブレット、あるいはアプリケーションが32-bit Float形式に対応していることを確認してください。
パソコンの「サウンド」の設定で「ZOOM F3」が選択できなくても、32-bit Float形式に対応しているアプリケーションの「オーディオ」あるいは「入出力」デバイスとしてF3を選択することで32-bit Floatのオーディオインターフェースとして使用できます。
電池の持続時間が短い
以下の設定を行うことで、電池持続時間を長くできる場合があります。
使用する電池の種類を適切に設定する。(→電池の種類を選択する)
不要なインプットをオフにする。(→インプットのオン/オフを設定する)
ファンタム電源の電圧設定を24 Vにする。(→ファンタム電源の電圧を変更する)
ディスプレイのバックライトをオフにする、あるいは一定時間操作をしないとディスプレイのバックライトがオフになるように設定する。(→ディスプレイのバックライトを設定する)
録音ファイルのサンプルレートを下げる。(→サンプルレートを設定する)
PHONE OUT端子、LINE OUT端子に接続されている不要なケーブルを外す。
一般的な特性として、消費電力が大きい設定の場合、ニッケル水素充電池(大容量を推奨)、リチウム乾電池の方がアルカリ電池よりも長時間使用できます。
ブロックダイアグラム
仕様
入出力チャンネル数 | 入力 | MIC/LINE (モノラル) | 2 |
出力 | LINE OUT | 1 | |
PHONE OUT | 1 | ||
入力 | MIC/LINE (モノラル) | コネクタ | XLR×2(2番HOT) |
入力ゲイン | 調整不要(デュアルADコンバータ回路採用) | ||
入力インピーダンス | MIC : 3 kΩ 以上 LINE : 3 kΩ 以上 | ||
最大入力レベル | MIC : +4 dBu LINE : +24 dBu | ||
ファンタム電源 | +24/+48 V チャンネル合計 10 mA以下 | ||
入力換算雑音 | -127 dBu 以下(IHF-A)@ 波形表示の拡大率 x1024、150 Ω input | ||
出力 | LINE OUT | コネクタ | ステレオミニジャック×1 |
最大出力レベル | +1 dBu | ||
出力インピーダンス | 100 Ω以下 | ||
PHONE OUT | コネクタ | ステレオミニジャック×1 | |
最大出力レベル | 50 mW + 50 mW(32 Ω負荷時) | ||
出力インピーダンス | 15 Ω以下 | ||
レコーダー | 最大同時録音トラック数 | 2 | |
最大同時再生トラック数 | 2 | ||
録音フォーマット | WAV 44.1/48/ 88.2/96/192 kHz、 32-bit Float mono/stereo BWFおよびiXMLフォーマット対応 | ||
記録メディア | microSDHC規格対応カード 4 GB ~ 32 GB microSDXC規格対応カード 64 GB ~ 1 TB | ||
表示 | バックライト付き LCD(96 x 64 ドット) | ||
USB | コネクタ | USB Type-C ※データ転送に対応したUSB ケーブルを使用してください。USB バスパワー動作対応。 | |
オーディオインターフェース動作 | USB2.0 High Speed 44.1/48/88.2/96 kHz 24-bit Linear/32-bit Float ※32-bit Float 形式はファームウェアバージョン2.0以降で使用できます。 2in2out | ||
マスストレージクラス動作 | USB2.0 High Speed | ||
REMOTE | 専用無線アダプター(ZOOM BTA-1) | ||
電源 | 単三電池2本動作(アルカリ乾電池、ニッケル水素蓄電池、リチウム乾電池) AC アダプター(ZOOM AD-17):DC 5 V/1 A ※USB バスパワー動作対応 | ||
連続使用時の電池持続時間の目安 ※値はあくまで目安です。 ※電池持続時間は当社試験法によるものです。使用条件により大きく変わります。 | 48 kHz/32-bit Float、2ch、 microSDHCカードへ録音 (ヘッドフォン接続なし、 PHANTOM=OFF、 LCD BACKLIGHT=OFF) | アルカリ乾電池:約8時間 ニッケル水素蓄電池(1900 mAh):約 8.5時間 リチウム乾電池:約18時間 | |
48 kHz/32-bit Float、2ch、 microSDHCカードへ録音 (ヘッドフォン 32 Ω 負荷、 PHANTOM=48 V(5 mA)、 LCD BACKLIGHT=OFF) | アルカリ乾電池:約2時間 ニッケル水素蓄電池(1900 mAh):約3時間 リチウム乾電池:約7.5時間 | ||
消費電力 | 最大 5 W | ||
外形寸法 | 75.0 mm (W) × 77.3 mm (D) × 47.8 mm (H) | ||
質量(電池含む) | 242 g |
※ 0 dBu = 0.775 Vrms